フィギュアスケーターの浅田真央さんを応援するブログ
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【SP16位で笑顔を失った浅田真央。滑走前、彼女に見えていたものとは。】
スタートのポジションにつく前、少し上を見上げた。あのとき、何を観たのだろうか。何を思っていたのだろうか。
2月19日、フィギュアスケート女子ショートプログラム。
最終滑走の浅田真央は、滑り終えたあと、うつむいた。観客席に向けての礼でも、笑顔を浮かべることはなかった。
冒頭のトリプルアクセルで転倒し、トリプルフリップは回転不足の判定。3つ目のジャンプとして予定していたトリプルループ-ダブルループのコンビネーションジャンプも成功させることはできなかった。
結果は、55.51点の16位。自己ベストを20点以上下回った得点、シニアに転向後のグランプリシリーズ、世界選手権そしてオリンピックでもなかった順位。
「自分の思っているような演技が全然できませんでした」
「最初のトリプルアクセルから、『いつもと違う』と思ってしまいました」
「リンクに入ってからは落ち着いていたんですけど、滑り出してちょっと違うな、と」
試合後の取材では、沈痛な言葉が続いた。
【2度目の五輪が、1度目より簡単なわけではない】
何が「いつもと違う」と感じる要因となったのか。
自身、思いもよらない演技に終わったショックも大きかったろう。しかも終わったばかりだ。簡単に分析できるわけもない。
その中にあって、浅田は言った。
「(緊張は)団体戦のときから感じていて、自分の中で克服していくつもりでしたが、できませんでした」
その内容や度合いはどうあれ、緊張に苛まれていたことをうかがわせた。
バンクーバーに続く2度目のオリンピックである。一度経験している大舞台だ。ただし、経験しているから対処しやすいというわけでもない。大舞台であることを知ってしまったからこそ生まれる難しさもある。例えばフリースタイルスキーの上村愛子は、初めて出場した地元長野での大会よりも、2度目のソルトレイクシティ五輪でプレッシャーに苦しんだと言ったことがある。一度知ったことで、大会の大きさ、重みを把握する。把握するからこそ、かまえてしまう。
【鈴木は8位、村上は15位での折り返しとなった】
あるいは、懸ける思いの大きさかもしれない。いずれにせよ、2度目だからこそ難しいということはあり得るのだ。
浅田もそうだったとは断言はできない。ただ、おそらくは体調や仕上がりから来るものではなかったのではないか。事態を消化しきれないでいる浅田の様子にそう思えた。何にせよ今は、いたずらに断言することはできない。
鈴木明子は最初のトリプルトウループ-トリプルトウループが決まらず8位。両足の小指を痛めていたという。
「今はだいぶよくなっていますけれど、練習が積めていなかったので、不安がありました」
と、涙にくれた。
15位での折り返しとなった村上佳菜子も涙を流した。
滑り出しから、調子がよさそうに思えた。だが、トリプルフリップが1回転になる失敗。
「調子がよかったので、悔しいです。飛ぶ前にすごく考えてしまいました」
と、ただ悔しさを見せた。
【上位を占めたコストナー、ソトニコワ、ヨナ】
万全な滑りを見せられなかった日本の3選手に対し、ショートを滑った選手の中で、もっとも強い印象を残したのは、カロリナ・コストナー(イタリア)だった。最初のコンビネーションジャンプを、団体戦のトリプルトウーループ-トリプルトウループからトリプルフリップとトリプルトウループに変更。これを成功させると、あとはただただ、観る者を魅了するばかりだった。
「(ジャンプの変更は)コーチにも言っていませんでした。選択を任せてくれたコーチに感謝しているし、できるというところを見せたかったんです」
と笑ったコストナーは、こうも語った。
「私のためのスケートではなく、皆さんと共有したいと思っていました」
5コンポーネンツでトップの評価を得るなどしての3位だったが、その順位以上に、コストナーの思いが成就した、会心の演技ではなかったか。
2位には、地元ロシアのアデリナ・ソトニコワ。大きな期待を集めていたユリア・リプニツカヤ(ロシア)がジャンプのミスで5位にとどまったのと対照的に、注目度という点で高くなかったのが幸いだったかもしれない。思い切りのいい、ノーミスの演技に、思わずロシアの記者たちから拍手が湧き起こった。
圧巻の演技を見せたコストナーらを抑えて首位に立ったのは、キム・ヨナ(韓国)。
【3人はそれぞれに気持ちを切り替え、フリーへ】
ショートプログラムは終わり、明日20日にフリーを迎える。上位の3名はそろって74点台の僅差だ。熾烈な争いとなるだろう。
そして日本の3人の選手は、巻き返しを図る場となる。
「最後は気持ちよく終わりたいです」
涙ながら笑顔で言った鈴木。
村上はこう語った。
「今日の悔しさを忘れるくらいの、迫力のあるすごい演技をしたいです」
そして浅田。
「自分のやるべきことをしたいと思います」
フリーでは、やりたいことに、思い切って挑んでほしい。
3人はそれぞれに気持ちを切り替え、フリーを迎えようとしている。
(「オリンピックへの道」松原孝臣 = 文)
Number Web 2月20日(木)16時31分配信
スタートのポジションにつく前、少し上を見上げた。あのとき、何を観たのだろうか。何を思っていたのだろうか。
2月19日、フィギュアスケート女子ショートプログラム。
最終滑走の浅田真央は、滑り終えたあと、うつむいた。観客席に向けての礼でも、笑顔を浮かべることはなかった。
冒頭のトリプルアクセルで転倒し、トリプルフリップは回転不足の判定。3つ目のジャンプとして予定していたトリプルループ-ダブルループのコンビネーションジャンプも成功させることはできなかった。
結果は、55.51点の16位。自己ベストを20点以上下回った得点、シニアに転向後のグランプリシリーズ、世界選手権そしてオリンピックでもなかった順位。
「自分の思っているような演技が全然できませんでした」
「最初のトリプルアクセルから、『いつもと違う』と思ってしまいました」
「リンクに入ってからは落ち着いていたんですけど、滑り出してちょっと違うな、と」
試合後の取材では、沈痛な言葉が続いた。
【2度目の五輪が、1度目より簡単なわけではない】
何が「いつもと違う」と感じる要因となったのか。
自身、思いもよらない演技に終わったショックも大きかったろう。しかも終わったばかりだ。簡単に分析できるわけもない。
その中にあって、浅田は言った。
「(緊張は)団体戦のときから感じていて、自分の中で克服していくつもりでしたが、できませんでした」
その内容や度合いはどうあれ、緊張に苛まれていたことをうかがわせた。
バンクーバーに続く2度目のオリンピックである。一度経験している大舞台だ。ただし、経験しているから対処しやすいというわけでもない。大舞台であることを知ってしまったからこそ生まれる難しさもある。例えばフリースタイルスキーの上村愛子は、初めて出場した地元長野での大会よりも、2度目のソルトレイクシティ五輪でプレッシャーに苦しんだと言ったことがある。一度知ったことで、大会の大きさ、重みを把握する。把握するからこそ、かまえてしまう。
【鈴木は8位、村上は15位での折り返しとなった】
あるいは、懸ける思いの大きさかもしれない。いずれにせよ、2度目だからこそ難しいということはあり得るのだ。
浅田もそうだったとは断言はできない。ただ、おそらくは体調や仕上がりから来るものではなかったのではないか。事態を消化しきれないでいる浅田の様子にそう思えた。何にせよ今は、いたずらに断言することはできない。
鈴木明子は最初のトリプルトウループ-トリプルトウループが決まらず8位。両足の小指を痛めていたという。
「今はだいぶよくなっていますけれど、練習が積めていなかったので、不安がありました」
と、涙にくれた。
15位での折り返しとなった村上佳菜子も涙を流した。
滑り出しから、調子がよさそうに思えた。だが、トリプルフリップが1回転になる失敗。
「調子がよかったので、悔しいです。飛ぶ前にすごく考えてしまいました」
と、ただ悔しさを見せた。
【上位を占めたコストナー、ソトニコワ、ヨナ】
万全な滑りを見せられなかった日本の3選手に対し、ショートを滑った選手の中で、もっとも強い印象を残したのは、カロリナ・コストナー(イタリア)だった。最初のコンビネーションジャンプを、団体戦のトリプルトウーループ-トリプルトウループからトリプルフリップとトリプルトウループに変更。これを成功させると、あとはただただ、観る者を魅了するばかりだった。
「(ジャンプの変更は)コーチにも言っていませんでした。選択を任せてくれたコーチに感謝しているし、できるというところを見せたかったんです」
と笑ったコストナーは、こうも語った。
「私のためのスケートではなく、皆さんと共有したいと思っていました」
5コンポーネンツでトップの評価を得るなどしての3位だったが、その順位以上に、コストナーの思いが成就した、会心の演技ではなかったか。
2位には、地元ロシアのアデリナ・ソトニコワ。大きな期待を集めていたユリア・リプニツカヤ(ロシア)がジャンプのミスで5位にとどまったのと対照的に、注目度という点で高くなかったのが幸いだったかもしれない。思い切りのいい、ノーミスの演技に、思わずロシアの記者たちから拍手が湧き起こった。
圧巻の演技を見せたコストナーらを抑えて首位に立ったのは、キム・ヨナ(韓国)。
【3人はそれぞれに気持ちを切り替え、フリーへ】
ショートプログラムは終わり、明日20日にフリーを迎える。上位の3名はそろって74点台の僅差だ。熾烈な争いとなるだろう。
そして日本の3人の選手は、巻き返しを図る場となる。
「最後は気持ちよく終わりたいです」
涙ながら笑顔で言った鈴木。
村上はこう語った。
「今日の悔しさを忘れるくらいの、迫力のあるすごい演技をしたいです」
そして浅田。
「自分のやるべきことをしたいと思います」
フリーでは、やりたいことに、思い切って挑んでほしい。
3人はそれぞれに気持ちを切り替え、フリーを迎えようとしている。
(「オリンピックへの道」松原孝臣 = 文)
Number Web 2月20日(木)16時31分配信
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