フィギュアスケーターの浅田真央さんを応援するブログ
【悔いが残ったFSでの失敗】

浅田真央(中京大)にとって、もはや敵は内なる自分しかいないのかもしれない。今季のグランプリ(GP)シリーズは2戦2勝。12月5日から行われたGPファイナル(福岡)でも、2位のユリア・リプニツカヤ(ロシア)に12点近くの差をつけて危なげなく連覇を達成した。決して完璧な演技をしているわけではない。7日のフリースケーティング(FS)でも、冒頭のトリプルアクセルで転倒、2本目も回転不足を取られた。スピンではすべてレベル4を獲得しているが、自身が目指していた演技には程遠い出来だった。
浅田もそれを認めている。
「今回のファイナルでは、自分の目指していたことがショートプログラム(SP)ではできていたんですけど、FSではそれを達成できなくてとても悔しい気持ちです。トリプルアクセルを2回入れるというプログラム構成は、いま自分ができる最高レベルのものです。1回目をしっかり降りたら、もう1回は落ち着いていこうと思っていたんですけど、大きな転倒をしてしまうとやはりなかなか次が難しいです。シミュレーションができていない状況での挑戦だったので、もう少し練習が必要かなと思っています」
5日のSPでは、回転不足こそ取られたもののトリプルアクセルの着氷に成功。「良いジャンプを跳べている」と、手応えを語っていた。周囲の期待も当然高まっていたはずだが、またしても成功はおあずけとなってしまった。自身への期待もあったのだろう。FS後にミックスゾーンに現れた浅田の表情は、とても優勝者のそれには見えなかった。
「今回は順位よりも自分が目指しているレベルの演技をしようと思っていました。SPは満足していますが、FSはまだまだ目指しているエレメンツをクリアすることができなかったので、悔いは残っています」
【積極的に挑戦したことは意味がある】

そもそも浅田がFSでトリプルアクセルを2回入れることを示唆したのは、11月に行われたNHK杯でのことだった。「スケートアメリカのとき、(佐藤)信夫先生と一緒に練習しているうちにトリプルアクセルの調子が良くなっていき、すごく簡単に跳べるようになったので、これなら入れてもいいんじゃないかと思ったんです」。突如として飛び出したこの発言は驚きを持って伝えられた。
浅田は2010年のバンクーバー五輪で、女子選手として史上初となるSPとFSで計3回のトリプルアクセルに成功。これはいまも破られていないが、五輪以降は、満足に跳べない日々が続いていた。ようやく今年初めから挑戦できる状態となり、2月の四大陸選手権ではうまく着氷した。とはいえまだ確率は低い。今季に入ってからも試合ではまだ1度も完璧には決めてはいなかった。
それでも「80パーセントぐらいはできると思っています。もっと上のレベルで練習していくほうが私も楽しいし、それを試合で決められたら最高です。バンクーバー五輪のシーズンより調子もいい。できる自信はあります」と、浅田は力強く宣言していた。
そして迎えたGPファイナル。FSでトリプルアクセルを2回入れる演技構成に変えた浅田は果敢にチャレンジした。結果は前述の通りだが、積極的に挑戦したことには意味がある。「今回は挑戦してみなきゃ分からない部分があったので、とりあえず挑戦して、ここから先をどうするかを、この先の練習を見て決めていきたいと思っています」と、佐藤コーチも同調していた。
【トリプルアクセルにはリスクがつきまとう】

今季初戦となるジャパンオープンでは「ジャンプをどうするかといったことは気にしていなくて、プログラム全体を考えています」と語っていた浅田だが、シーズンが深まるにつれて、やはりトリプルアクセルについての話題が中心となりつつある。裏を返せば、それだけその他の部分で隙が見当たらないということだろう。課題に挙げていたスピンやステップはほとんどの試合でレベル4を獲得。トリプルアクセル以外のジャンプもほぼノーミスに近い。より上を目指すのであれば、難度の高いエレメントに挑戦するのは当然のことだ。
それに加え、現状では浅田と同レベルで争える選手がいないことも、さまざまなチャレンジを行ううえでプラスに働いている。今季出場した3試合(ジャパンオープンを除く)はいずれも2位の選手に10点以上の差をつけて優勝するなど、いまや敵なしの状態。GPファイナル2位のリプニツカヤ、3位のアシュリー・ワグナー(米国)は共に「世界で一番強い」と浅田を称している。
トリプルアクセルにはつねにリスクがつきまとう。転倒する可能性も高く、大技であるだけに体力も消耗しやすいからだ。僅差の勝負であれば、なかなか挑戦しにくい部分もあるだろう。しかし現在はその心配がないだけに思い切ったチャレンジができる。もちろんそれも、スケーティング技術などの基礎をしっかり磨きあげてきたこの3年間の成果が、実となって表れているからでもある。
浅田もその効果を実感している。
「基礎から見直してきて、いまようやくその基礎が身についてきました。一からやるというのは本当に大変なことで、やっている最中にこれで大丈夫か、これで合っているのかなとやってきて、いまでも完璧ではないので、時には悩むこともあります。ただ、その失敗を考えて修正できるようになってきているので、やってきて良かったと思います」
【挑戦する勇気を失わなかった】

今季限りでの引退を表明している浅田にとっては、出場する大会すべてがラストになる。初出場した05年のGPファイナルでいきなり優勝を飾ったのは15歳のとき。当時は最年少だったが、あれから8年が経過した今大会では最年長の選手として再び頂点に立った。「早いですよね」と浅田は笑ったが、長きに渡りこうして第一線で活躍できたのは、“挑戦する勇気”を失わなかったからだろう。先に述べたように、トリプルアクセルにはリスクが伴う。成長による体格の変化で、以前のように跳べなくなったときでも、浅田は決して自身最大の武器を捨てなかった。ワグナーは「女性のスケーターでトリプルアクセルをやるんだと言う選手は、それだけで尊敬できる選手だと思う」と、浅田への称賛を惜しまない。
佐藤コーチもその難しさを知りながら、浅田の挑戦を見守っている。
「トリプルアクセルは素晴らしいジャンプだし、本人のなかではどうしても挑戦したいという気持ちがある。それを取り上げるようなことは僕にはできない。彼女のテンションにも影響してくるので、そのへんのバランスを考えて、挑戦できる方向に持っていきたい。女性にとって、(トリプルアクセルを跳ぶことは)とんでもなく能力的に難しいということを痛感させられているんですけど、練習ではできていますし、もう少し頑張ってなんとか彼女の夢をかなえられたらいいなと思っています」
GPファイナルで優勝したこともあり、浅田のソチ五輪出場はよほどのことがない限りほぼ当確だろう。残る試合は全日本選手権などわずかだが、ひとつひとつの実戦を大切にしていくつもりだ。「自分に対してのチャレンジをしていきたい」。浅田の意欲は衰えるどころか、ますます燃え上っている。
<了>
(文・大橋護良/スポーツナビ)
スポーツナビ2013年12月8日 13:35
浅田真央(中京大)にとって、もはや敵は内なる自分しかいないのかもしれない。今季のグランプリ(GP)シリーズは2戦2勝。12月5日から行われたGPファイナル(福岡)でも、2位のユリア・リプニツカヤ(ロシア)に12点近くの差をつけて危なげなく連覇を達成した。決して完璧な演技をしているわけではない。7日のフリースケーティング(FS)でも、冒頭のトリプルアクセルで転倒、2本目も回転不足を取られた。スピンではすべてレベル4を獲得しているが、自身が目指していた演技には程遠い出来だった。
浅田もそれを認めている。
「今回のファイナルでは、自分の目指していたことがショートプログラム(SP)ではできていたんですけど、FSではそれを達成できなくてとても悔しい気持ちです。トリプルアクセルを2回入れるというプログラム構成は、いま自分ができる最高レベルのものです。1回目をしっかり降りたら、もう1回は落ち着いていこうと思っていたんですけど、大きな転倒をしてしまうとやはりなかなか次が難しいです。シミュレーションができていない状況での挑戦だったので、もう少し練習が必要かなと思っています」
5日のSPでは、回転不足こそ取られたもののトリプルアクセルの着氷に成功。「良いジャンプを跳べている」と、手応えを語っていた。周囲の期待も当然高まっていたはずだが、またしても成功はおあずけとなってしまった。自身への期待もあったのだろう。FS後にミックスゾーンに現れた浅田の表情は、とても優勝者のそれには見えなかった。
「今回は順位よりも自分が目指しているレベルの演技をしようと思っていました。SPは満足していますが、FSはまだまだ目指しているエレメンツをクリアすることができなかったので、悔いは残っています」
【積極的に挑戦したことは意味がある】
そもそも浅田がFSでトリプルアクセルを2回入れることを示唆したのは、11月に行われたNHK杯でのことだった。「スケートアメリカのとき、(佐藤)信夫先生と一緒に練習しているうちにトリプルアクセルの調子が良くなっていき、すごく簡単に跳べるようになったので、これなら入れてもいいんじゃないかと思ったんです」。突如として飛び出したこの発言は驚きを持って伝えられた。
浅田は2010年のバンクーバー五輪で、女子選手として史上初となるSPとFSで計3回のトリプルアクセルに成功。これはいまも破られていないが、五輪以降は、満足に跳べない日々が続いていた。ようやく今年初めから挑戦できる状態となり、2月の四大陸選手権ではうまく着氷した。とはいえまだ確率は低い。今季に入ってからも試合ではまだ1度も完璧には決めてはいなかった。
それでも「80パーセントぐらいはできると思っています。もっと上のレベルで練習していくほうが私も楽しいし、それを試合で決められたら最高です。バンクーバー五輪のシーズンより調子もいい。できる自信はあります」と、浅田は力強く宣言していた。
そして迎えたGPファイナル。FSでトリプルアクセルを2回入れる演技構成に変えた浅田は果敢にチャレンジした。結果は前述の通りだが、積極的に挑戦したことには意味がある。「今回は挑戦してみなきゃ分からない部分があったので、とりあえず挑戦して、ここから先をどうするかを、この先の練習を見て決めていきたいと思っています」と、佐藤コーチも同調していた。
【トリプルアクセルにはリスクがつきまとう】
今季初戦となるジャパンオープンでは「ジャンプをどうするかといったことは気にしていなくて、プログラム全体を考えています」と語っていた浅田だが、シーズンが深まるにつれて、やはりトリプルアクセルについての話題が中心となりつつある。裏を返せば、それだけその他の部分で隙が見当たらないということだろう。課題に挙げていたスピンやステップはほとんどの試合でレベル4を獲得。トリプルアクセル以外のジャンプもほぼノーミスに近い。より上を目指すのであれば、難度の高いエレメントに挑戦するのは当然のことだ。
それに加え、現状では浅田と同レベルで争える選手がいないことも、さまざまなチャレンジを行ううえでプラスに働いている。今季出場した3試合(ジャパンオープンを除く)はいずれも2位の選手に10点以上の差をつけて優勝するなど、いまや敵なしの状態。GPファイナル2位のリプニツカヤ、3位のアシュリー・ワグナー(米国)は共に「世界で一番強い」と浅田を称している。
トリプルアクセルにはつねにリスクがつきまとう。転倒する可能性も高く、大技であるだけに体力も消耗しやすいからだ。僅差の勝負であれば、なかなか挑戦しにくい部分もあるだろう。しかし現在はその心配がないだけに思い切ったチャレンジができる。もちろんそれも、スケーティング技術などの基礎をしっかり磨きあげてきたこの3年間の成果が、実となって表れているからでもある。
浅田もその効果を実感している。
「基礎から見直してきて、いまようやくその基礎が身についてきました。一からやるというのは本当に大変なことで、やっている最中にこれで大丈夫か、これで合っているのかなとやってきて、いまでも完璧ではないので、時には悩むこともあります。ただ、その失敗を考えて修正できるようになってきているので、やってきて良かったと思います」
【挑戦する勇気を失わなかった】
今季限りでの引退を表明している浅田にとっては、出場する大会すべてがラストになる。初出場した05年のGPファイナルでいきなり優勝を飾ったのは15歳のとき。当時は最年少だったが、あれから8年が経過した今大会では最年長の選手として再び頂点に立った。「早いですよね」と浅田は笑ったが、長きに渡りこうして第一線で活躍できたのは、“挑戦する勇気”を失わなかったからだろう。先に述べたように、トリプルアクセルにはリスクが伴う。成長による体格の変化で、以前のように跳べなくなったときでも、浅田は決して自身最大の武器を捨てなかった。ワグナーは「女性のスケーターでトリプルアクセルをやるんだと言う選手は、それだけで尊敬できる選手だと思う」と、浅田への称賛を惜しまない。
佐藤コーチもその難しさを知りながら、浅田の挑戦を見守っている。
「トリプルアクセルは素晴らしいジャンプだし、本人のなかではどうしても挑戦したいという気持ちがある。それを取り上げるようなことは僕にはできない。彼女のテンションにも影響してくるので、そのへんのバランスを考えて、挑戦できる方向に持っていきたい。女性にとって、(トリプルアクセルを跳ぶことは)とんでもなく能力的に難しいということを痛感させられているんですけど、練習ではできていますし、もう少し頑張ってなんとか彼女の夢をかなえられたらいいなと思っています」
GPファイナルで優勝したこともあり、浅田のソチ五輪出場はよほどのことがない限りほぼ当確だろう。残る試合は全日本選手権などわずかだが、ひとつひとつの実戦を大切にしていくつもりだ。「自分に対してのチャレンジをしていきたい」。浅田の意欲は衰えるどころか、ますます燃え上っている。
<了>
(文・大橋護良/スポーツナビ)
スポーツナビ2013年12月8日 13:35
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【守らず攻める浅田真央の強さ】

フィギュアスケートのグランプリファイナル第3日が7日、福岡マリンメッセで行われた。
女子フリースケーティング(FS)では、ショートプログラム首位の浅田真央(中京大)が、フリー131.66点、合計204.02点で2年連続4度目の優勝を飾った。2位はロシアの15歳、ユリア・リプニツカヤでフリー125.45点、合計192.07点。3位は昨季2位のアシュリー・ワグナー(米国)で、フリー119.47点、合計187.61点だった。
浅田は「フリーで2本」のトリプルアクセルに挑戦。演技の冒頭に入れた1本目で転倒すると、コンビネーション予定の2本目も両足着氷になった。しかしその後は転倒もなく、スピンではすべて最高評価のレベル4を獲得した。
スポーツナビでは、5つの3回転など力強いジャンプや氷上での明るい笑顔が持ち味で、2007年四大陸選手権、04年全日本選手権で4位に入るなどの成績を残した澤田亜紀さんに、女子FSを解説してもらった。「フリーで2本」に挑んだトリプルアクセルの状態、そして実はリスキーな技をこなしている場面とは。
【「トリプルアクセル2本」への挑戦】
最初のトリプルアクセルの転倒は、着氷はしましたが頭の位置が外にありましたね。きれいにジャンプを着氷したときのように、お腹を少しだけ折るような姿勢でなく、脇腹を折るような姿勢で下りていました。ジャンプの着氷は右足のアウトサイドに乗りながら円を描くように着氷をするのですが、足は右外側に体重が乗っているのに、頭は左側に寄ってしまうと、頭の方が重いのでバランスが傾いてしまいます。もしかしたらですが、ショートプログラムでのトリプルアクセルが回転不足になったことで、しっかり回転するために「ジャンプを最後まで締(し)め切ろう」という意識があったのかもしれません。ジャンプを長く締めよう(空中姿勢のように体を小さく閉じた状態を保とう)とすると、ジャンプのリズムもわずかながら変わりますし、意識をするだけでもタイミングがずれることもあります。同じような形で(体を締めたまま)着氷した場合、男子は筋肉があるのでそのままクルクルとオーバーターンしながらもこらえる選手もいます。でも女子の場合はそのまま転倒する選手が多い気がします。
2本目のトリプルアクセルは、1本目で失敗したこともあって慎重だったかなという気がしました。転んだ事で体力を使ってしまった事も影響したかもしれません。ジャンプで転ぶと体力が本当に奪われるんです。今回は他の女子選手も転倒後に調子を崩す選手が多かったですね。転倒の影響ですが、転んで流れが止まってしまうと、集中力も一度途切れてしまいますし、もう一度転ぶ前のスピードにもっていくのに体力を使うんです。多くの選手は前半に2〜3本ジャンプを入れますが、最初に転ぶとどうしてもその後に影響してしまいますね。それでも、ミスした後にスピンなど他の要素が入ると頭を切り替えられたり出来ることもあります。
トリプルアクセルを2本にした事でのプログラムの変更ですが、NHK杯までは3回転ルッツだった3つ目のジャンプを、今回は3回転フリップにしました。浅田選手はどちらかというとフリップの方が得意という印象があるので良かったと思います。それにトリプルアクセルは助走が長く必要なので、それを2本跳ぶという事はその分、プログラムで時間もとられます。限られたフリーの演技時間の中で、確実性も取りつつ、プログラム全体の構成を考えてのフリップだったのではないでしょうか。
後半の3回転フリップ−2回転ループ−2回転ループの3連続ですが、回転不足になった後ろの2本は転ばず耐えたのが良かったです。2回転なので基礎点もそんなに高くないですし、回転不足でもそれほど大きな影響はないですから。
【実は難しい 浅田のフライングキャメルスピン】
それからすべて最高評価の「レベル4」を獲得したスピンですが、ポジションがきれいで、それでいてスピードも速くてまさに「レベル4」のスピンでした。例えば軸足を途中で替えるチェンジフットスピンですが、足を替えても同じ位置で回れるのが良いです。これまでも、浅田選手がスピンで大きく崩れる印象はありません。
それから浅田選手がやっているフライングキャメルスピンは、すごく難しい入り方をしているんです。何人かの選手はやっていますが、普通は足を替えた瞬間にガタっとバランスを崩してしまう事もあるような入り方で、実はリスキーな動きなんです。それにキャメルスピン(上半身と片脚を、氷と水平にして回転するスピン)でスピードが落ちない、上げられる事もすごいです。シットスピン(座った姿勢でのスピン)やドーナツスピン(上から見て円のように見える形のスピン)は、体を小さく“キュッ”と締めたり、膝をしっかり曲げて、遠心力を内側に集中させてスピードを上げる事ができます。でも浅田選手のように、腕を大きく広げたキャメルスピンは遠心力が外側に分散してしまい、スピードが落ちやすいんです。
キャメルスピンの状態から、シーソーのように体を何度か上下に傾ける「ウィンドミルスピン」も入れていますが、上体を上下にするとバランスを崩すものなんですが、浅田選手はバランスを崩さず同じところで回転しています。足の裏の感覚と、体幹の強さがあってこそ、きれいにできる技なんです。
【転倒あるも疲れ見せず 全日本でも攻めるか】

フリーのプログラム曲は「ピアノ協奏曲第2番」ですが、後半にどんどん盛り上がるプログラムで、それに合わせるようにスピードも上がって、総集編のように最後に一番盛り上がって終わります。まるで浅田選手のスケート人生、長い時間をもの語っているようで、この最後の場面が私は好きです。冒頭に転倒がありましたが、浅田選手だけは疲れが見えませんでした。ミスをした後の、日々の練習もしているんだなと思いました。
浅田選手は“守って”いる試合を見た事がない気がします。いつも攻めているイメージです。守りに入るとかえって焦ってしまう事もありますが、浅田選手の場合は攻めているからこそ思い切りできるのではないかと思います。
今回の試合で課題が見つかったと言っていましたし、全日本選手権(12月21日開幕、五輪代表選考大会)でも「フリーで2本のトリプルアクセル」を入れるのではないでしょうか。いつも1本で構成しているジャンプを2本にすると、息が上がるところが違ったりするのですが、それが上手くいくと筋肉の感じも違うんです。感覚的な話になってしまいますが、もうポンポンと跳べてしまうような。練習ではなく、いい緊張の中でやってみて感じたこともあると思います。それを全日本で挑戦するかもしれませんね。
【強み発揮したリプニツカヤ “怖い存在”ワグナー】
2位に入ったリプニツカヤ選手は、彼女だけ大きなミスがありませんでした。ロシアの女子五輪代表は2枠ですが、このままいけば行けるかもしれませんね。ロシア杯のフリーのようにミスが出れば分かりませんが、彼女の場合はジャンプを後半に5回入れています。後半にジャンプが5回なんてすごく体力がいることなんですが、それでも手の動き、表情もしっかり演技を続けて、ジャンプが上手くいっても喜んだり表情も変わらず曲に入り込んでいるところが強みですね。
3位のワグナー選手は前半はすごく良かっただけに、後半が残念でした。今回ジャンプのミスはありましたが、音楽をしっかり踊れていて、間の取り方もすごく良かった。ジャンプの失敗でスピードが下がっただけなので、そこをしっかりすれば怖い存在になるかもしれません。
<了>
構成:スポーツナビ 2013年12月8日 11:40
フィギュアスケートのグランプリファイナル第3日が7日、福岡マリンメッセで行われた。
女子フリースケーティング(FS)では、ショートプログラム首位の浅田真央(中京大)が、フリー131.66点、合計204.02点で2年連続4度目の優勝を飾った。2位はロシアの15歳、ユリア・リプニツカヤでフリー125.45点、合計192.07点。3位は昨季2位のアシュリー・ワグナー(米国)で、フリー119.47点、合計187.61点だった。
浅田は「フリーで2本」のトリプルアクセルに挑戦。演技の冒頭に入れた1本目で転倒すると、コンビネーション予定の2本目も両足着氷になった。しかしその後は転倒もなく、スピンではすべて最高評価のレベル4を獲得した。
スポーツナビでは、5つの3回転など力強いジャンプや氷上での明るい笑顔が持ち味で、2007年四大陸選手権、04年全日本選手権で4位に入るなどの成績を残した澤田亜紀さんに、女子FSを解説してもらった。「フリーで2本」に挑んだトリプルアクセルの状態、そして実はリスキーな技をこなしている場面とは。
【「トリプルアクセル2本」への挑戦】
最初のトリプルアクセルの転倒は、着氷はしましたが頭の位置が外にありましたね。きれいにジャンプを着氷したときのように、お腹を少しだけ折るような姿勢でなく、脇腹を折るような姿勢で下りていました。ジャンプの着氷は右足のアウトサイドに乗りながら円を描くように着氷をするのですが、足は右外側に体重が乗っているのに、頭は左側に寄ってしまうと、頭の方が重いのでバランスが傾いてしまいます。もしかしたらですが、ショートプログラムでのトリプルアクセルが回転不足になったことで、しっかり回転するために「ジャンプを最後まで締(し)め切ろう」という意識があったのかもしれません。ジャンプを長く締めよう(空中姿勢のように体を小さく閉じた状態を保とう)とすると、ジャンプのリズムもわずかながら変わりますし、意識をするだけでもタイミングがずれることもあります。同じような形で(体を締めたまま)着氷した場合、男子は筋肉があるのでそのままクルクルとオーバーターンしながらもこらえる選手もいます。でも女子の場合はそのまま転倒する選手が多い気がします。
2本目のトリプルアクセルは、1本目で失敗したこともあって慎重だったかなという気がしました。転んだ事で体力を使ってしまった事も影響したかもしれません。ジャンプで転ぶと体力が本当に奪われるんです。今回は他の女子選手も転倒後に調子を崩す選手が多かったですね。転倒の影響ですが、転んで流れが止まってしまうと、集中力も一度途切れてしまいますし、もう一度転ぶ前のスピードにもっていくのに体力を使うんです。多くの選手は前半に2〜3本ジャンプを入れますが、最初に転ぶとどうしてもその後に影響してしまいますね。それでも、ミスした後にスピンなど他の要素が入ると頭を切り替えられたり出来ることもあります。
トリプルアクセルを2本にした事でのプログラムの変更ですが、NHK杯までは3回転ルッツだった3つ目のジャンプを、今回は3回転フリップにしました。浅田選手はどちらかというとフリップの方が得意という印象があるので良かったと思います。それにトリプルアクセルは助走が長く必要なので、それを2本跳ぶという事はその分、プログラムで時間もとられます。限られたフリーの演技時間の中で、確実性も取りつつ、プログラム全体の構成を考えてのフリップだったのではないでしょうか。
後半の3回転フリップ−2回転ループ−2回転ループの3連続ですが、回転不足になった後ろの2本は転ばず耐えたのが良かったです。2回転なので基礎点もそんなに高くないですし、回転不足でもそれほど大きな影響はないですから。
【実は難しい 浅田のフライングキャメルスピン】
それからすべて最高評価の「レベル4」を獲得したスピンですが、ポジションがきれいで、それでいてスピードも速くてまさに「レベル4」のスピンでした。例えば軸足を途中で替えるチェンジフットスピンですが、足を替えても同じ位置で回れるのが良いです。これまでも、浅田選手がスピンで大きく崩れる印象はありません。
それから浅田選手がやっているフライングキャメルスピンは、すごく難しい入り方をしているんです。何人かの選手はやっていますが、普通は足を替えた瞬間にガタっとバランスを崩してしまう事もあるような入り方で、実はリスキーな動きなんです。それにキャメルスピン(上半身と片脚を、氷と水平にして回転するスピン)でスピードが落ちない、上げられる事もすごいです。シットスピン(座った姿勢でのスピン)やドーナツスピン(上から見て円のように見える形のスピン)は、体を小さく“キュッ”と締めたり、膝をしっかり曲げて、遠心力を内側に集中させてスピードを上げる事ができます。でも浅田選手のように、腕を大きく広げたキャメルスピンは遠心力が外側に分散してしまい、スピードが落ちやすいんです。
キャメルスピンの状態から、シーソーのように体を何度か上下に傾ける「ウィンドミルスピン」も入れていますが、上体を上下にするとバランスを崩すものなんですが、浅田選手はバランスを崩さず同じところで回転しています。足の裏の感覚と、体幹の強さがあってこそ、きれいにできる技なんです。
【転倒あるも疲れ見せず 全日本でも攻めるか】
フリーのプログラム曲は「ピアノ協奏曲第2番」ですが、後半にどんどん盛り上がるプログラムで、それに合わせるようにスピードも上がって、総集編のように最後に一番盛り上がって終わります。まるで浅田選手のスケート人生、長い時間をもの語っているようで、この最後の場面が私は好きです。冒頭に転倒がありましたが、浅田選手だけは疲れが見えませんでした。ミスをした後の、日々の練習もしているんだなと思いました。
浅田選手は“守って”いる試合を見た事がない気がします。いつも攻めているイメージです。守りに入るとかえって焦ってしまう事もありますが、浅田選手の場合は攻めているからこそ思い切りできるのではないかと思います。
今回の試合で課題が見つかったと言っていましたし、全日本選手権(12月21日開幕、五輪代表選考大会)でも「フリーで2本のトリプルアクセル」を入れるのではないでしょうか。いつも1本で構成しているジャンプを2本にすると、息が上がるところが違ったりするのですが、それが上手くいくと筋肉の感じも違うんです。感覚的な話になってしまいますが、もうポンポンと跳べてしまうような。練習ではなく、いい緊張の中でやってみて感じたこともあると思います。それを全日本で挑戦するかもしれませんね。
【強み発揮したリプニツカヤ “怖い存在”ワグナー】
2位に入ったリプニツカヤ選手は、彼女だけ大きなミスがありませんでした。ロシアの女子五輪代表は2枠ですが、このままいけば行けるかもしれませんね。ロシア杯のフリーのようにミスが出れば分かりませんが、彼女の場合はジャンプを後半に5回入れています。後半にジャンプが5回なんてすごく体力がいることなんですが、それでも手の動き、表情もしっかり演技を続けて、ジャンプが上手くいっても喜んだり表情も変わらず曲に入り込んでいるところが強みですね。
3位のワグナー選手は前半はすごく良かっただけに、後半が残念でした。今回ジャンプのミスはありましたが、音楽をしっかり踊れていて、間の取り方もすごく良かった。ジャンプの失敗でスピードが下がっただけなので、そこをしっかりすれば怖い存在になるかもしれません。
<了>
構成:スポーツナビ 2013年12月8日 11:40
【真央「もうちょっと練習が必要かな」】
フィギュアスケートのグランプリファイナル第3日が7日、福岡マリンメッセで行われ、前日のショートプログラム(SP)首位の浅田真央(中京大学)がフリースケーティング(FS)で131.66点(技術点63.87点、演技構成点68.79点、、減点1.00点)、SPとの合計204.02点でGPファイナル2年連続4度目の優勝を飾った。
今季初めて冒頭に2本取り入れたトリプルアクセルは、1本目が転倒、2本目が両足着氷といずれも成功しなかったが、後半のジャンプ、ステップなどで盛り返したことで「自分としては立ち直れたかなと思います」と、まずは納得。しかし、「大きな転倒をしてしまうとやはり次の2本目が難しい。なかなかシミュレーションができなかったのでもうちょっと練習が必要かな」と、2週間後の全日本選手権へ向けて、さらなる努力を誓った。
以下は浅田の演技後のコメント。
■「今度はFSで目標としているものを達成できるように」
「1回目のアクセルの転倒は大きくて、体力も奪われてしまうんです。そのなかでも自分としては立ち直れたかなと思います。
(1回目失敗したあとは何を考えた?)もう1回跳べるので挑戦しようと思っていました。1発目降りたらもう1回落ち着いていこうと思っていたんですけど、大きな転倒をしてしまうとやはりなかなか次が難しいんです。シミュレーションができていない状況での挑戦だったのでもう少し練習が必要かなと思っています。
(トリプルアクセルを跳ぶ自信度はどれくらいあった?)昨日と同じような気持ちでした。そこまであるとかないとかはなくて、普通に落ち着いていました。
(今日2回挑戦したことはどんな意味を持つ?)初戦はアクセル以外で課題が残っていて、次の試合ではそれがクリアになっていきました。今回はアクセルを課題にして、次の試合でクリアにしていきたいです。
(SPのときの感触は残っている?)う~ん、入りは自分の気持ちが前に行っていたので、良かったとは思います。これを続けていけばいずれできるんじゃないかという思いと、NHK杯が終わってからそこまで練習を積めていなかったので、もう少し早くから臨んでいれば、できたんじゃないかなとも思っています。
(演技が始まるまでの1分間を長く使っていたが)緊張は多少はしていました。ただいつもの練習のように落ち着いて、気持ちが整ってから臨もうと思っていました。
(失敗した原因は?)いまは分からないです。2本目は、1本目跳ぶよりも2本目跳ぶほうが、感覚的にはフレッシュじゃないので、難しいんですけど、なかなかシミュレーションができなかったのでもうちょっと練習が必要かなというのがいまの気持ちです。
(最後のステップは迫力があったが)全体を通して、アクセルで転倒してしまったので、体力的には厳しい状況でのスタートだったんです。そういった意味では滑れたんじゃないかなと思っています。
(全日本はどのような気持ちで臨みたい?)五輪に関係なく、この大会も臨みました。自分が目指しているものが一歩ずつできているのは確かなので、今度はFSで目標としているものを達成できるように全日本まで頑張りたいです」
スポーツナビ 12月7日(土)22時25分配信
【真央の夢、佐藤コーチ「かなえられたら」】
フィギュアスケートのグランプリファイナル第3日が7日、福岡マリンメッセで行われ、前日のショートプログラム(SP)首位の浅田真央(中京大学)がフリースケーティング(FS)で131.66点(技術点63.87点、演技構成点68.79点、、減点1.00点)、SPとの合計204.02点でGPファイナル2年連続4度目の優勝を飾った。
今季初めて取り入れたトリプルアクセル2本は成功できなかったが、佐藤信夫コーチは「やめようという判断はなかった。今回はとにかく挑戦しよう」と浅田の強い思いをバックアップ。ただ、女子選手にとってのこの挑戦は「とんでもなく能力的に難しいということを痛感させられた」ことで、今後の練習方法を慎重に取り組んでいきたいとしたが、「もう少し頑張ってなんとか彼女の夢をかなえられたら」と、佐藤コーチも浅田といっしょにソチ五輪まで全力疾走で取り組んでいくことを約束した。
以下は佐藤コーチのコメント。
■佐藤信夫コーチ「体力の限界とどう向き合っていくのかが課題」
「トリプルアクセルが2回ということで、いろいろ問題はあったと思うんですけど、それを除くと全体的には非常に良い動きだったんじゃないかと思います。
(アクセル2回という選択については)特に女性にとって、とんでもなく能力的に難しいということを痛感させられたんですけど、練習ではできていますし、もう少し頑張ってなんとか彼女の夢をかなえられたらいいなと思っています。
(今後どう指導していくか)やり方としてはいままでとどこも変えるつもりはありません。とにかく同じレールの上を進んでいきたいと思っています。
(2回目のアクセルに関して成功率は厳しい。今回はやめようという決断は?)今回は一切考えていませんでした。とにかく挑戦しようと。今回は挑戦してみなきゃ分からない部分があったので、とりあえず挑戦して、ここから先をどうするかを、この先の練習を見て決めていきたいと思っています。
(浅田が最年長だったが、プレッシャーはあったのか)それはないんじゃないですか。立場は、どんな選手でも同じ道をたどっていくので受け止めていくしかないです。
(浅田のトリプルアクセルに対するこだわりについて)トリプルアクセルは素晴らしいジャンプだし、本人のなかではどうしても挑戦したいという気持ちがある。それを取り上げるようなことは彼女のテンションにも影響してくるので、そのへんのバランスを考えて、挑戦できる方向に持っていきたいと思っています。
(ジャンプのスピードは)普段に比べると若干あったのかなと思います。そのへんをどう取り組んでいくのか。体力の限界とどう向き合っていくのかが課題だと思います。
(トリプルアクセルを2回入れることで、ルッツと3回転+3回転を入れられなくなるが)それを最初から計算してしまうと、それじゃやめましょうとなってしまうので、いまはとにかく挑戦しようと思っています。
(現在の完成度は)技術的にはほぼできていると思います。ただ、大きな大会になってくるといろいろなプレッシャーがかかってしまうので、そこで微妙に何かが狂ってしまう。それをモノにするにはやはり回数しかない。ということでもう少し時間があればいいなと思うんですけどね。
(浅田はNHK杯のあとに急に2回入れることを思いついたと言っていたが、先生は想定していたのか?)当然出てくるなとは思っていました。ですからすんなりとやろうという運びになりました。
(2回入れるリスクは)たくさんあると思います。足し算引き算の問題ですからね。体力的に非常にエネルギーを使うわけですから、それによってそのあとの演技がとうなるのか。慎重に取り組んでいく必要があると思っています」
スポーツナビ 12月7日(土)23時27分配信
フィギュアスケートのグランプリファイナル第3日が7日、福岡マリンメッセで行われ、前日のショートプログラム(SP)首位の浅田真央(中京大学)がフリースケーティング(FS)で131.66点(技術点63.87点、演技構成点68.79点、、減点1.00点)、SPとの合計204.02点でGPファイナル2年連続4度目の優勝を飾った。
今季初めて冒頭に2本取り入れたトリプルアクセルは、1本目が転倒、2本目が両足着氷といずれも成功しなかったが、後半のジャンプ、ステップなどで盛り返したことで「自分としては立ち直れたかなと思います」と、まずは納得。しかし、「大きな転倒をしてしまうとやはり次の2本目が難しい。なかなかシミュレーションができなかったのでもうちょっと練習が必要かな」と、2週間後の全日本選手権へ向けて、さらなる努力を誓った。
以下は浅田の演技後のコメント。
■「今度はFSで目標としているものを達成できるように」
「1回目のアクセルの転倒は大きくて、体力も奪われてしまうんです。そのなかでも自分としては立ち直れたかなと思います。
(1回目失敗したあとは何を考えた?)もう1回跳べるので挑戦しようと思っていました。1発目降りたらもう1回落ち着いていこうと思っていたんですけど、大きな転倒をしてしまうとやはりなかなか次が難しいんです。シミュレーションができていない状況での挑戦だったのでもう少し練習が必要かなと思っています。
(トリプルアクセルを跳ぶ自信度はどれくらいあった?)昨日と同じような気持ちでした。そこまであるとかないとかはなくて、普通に落ち着いていました。
(今日2回挑戦したことはどんな意味を持つ?)初戦はアクセル以外で課題が残っていて、次の試合ではそれがクリアになっていきました。今回はアクセルを課題にして、次の試合でクリアにしていきたいです。
(SPのときの感触は残っている?)う~ん、入りは自分の気持ちが前に行っていたので、良かったとは思います。これを続けていけばいずれできるんじゃないかという思いと、NHK杯が終わってからそこまで練習を積めていなかったので、もう少し早くから臨んでいれば、できたんじゃないかなとも思っています。
(演技が始まるまでの1分間を長く使っていたが)緊張は多少はしていました。ただいつもの練習のように落ち着いて、気持ちが整ってから臨もうと思っていました。
(失敗した原因は?)いまは分からないです。2本目は、1本目跳ぶよりも2本目跳ぶほうが、感覚的にはフレッシュじゃないので、難しいんですけど、なかなかシミュレーションができなかったのでもうちょっと練習が必要かなというのがいまの気持ちです。
(最後のステップは迫力があったが)全体を通して、アクセルで転倒してしまったので、体力的には厳しい状況でのスタートだったんです。そういった意味では滑れたんじゃないかなと思っています。
(全日本はどのような気持ちで臨みたい?)五輪に関係なく、この大会も臨みました。自分が目指しているものが一歩ずつできているのは確かなので、今度はFSで目標としているものを達成できるように全日本まで頑張りたいです」
スポーツナビ 12月7日(土)22時25分配信
【真央の夢、佐藤コーチ「かなえられたら」】
フィギュアスケートのグランプリファイナル第3日が7日、福岡マリンメッセで行われ、前日のショートプログラム(SP)首位の浅田真央(中京大学)がフリースケーティング(FS)で131.66点(技術点63.87点、演技構成点68.79点、、減点1.00点)、SPとの合計204.02点でGPファイナル2年連続4度目の優勝を飾った。
今季初めて取り入れたトリプルアクセル2本は成功できなかったが、佐藤信夫コーチは「やめようという判断はなかった。今回はとにかく挑戦しよう」と浅田の強い思いをバックアップ。ただ、女子選手にとってのこの挑戦は「とんでもなく能力的に難しいということを痛感させられた」ことで、今後の練習方法を慎重に取り組んでいきたいとしたが、「もう少し頑張ってなんとか彼女の夢をかなえられたら」と、佐藤コーチも浅田といっしょにソチ五輪まで全力疾走で取り組んでいくことを約束した。
以下は佐藤コーチのコメント。
■佐藤信夫コーチ「体力の限界とどう向き合っていくのかが課題」
「トリプルアクセルが2回ということで、いろいろ問題はあったと思うんですけど、それを除くと全体的には非常に良い動きだったんじゃないかと思います。
(アクセル2回という選択については)特に女性にとって、とんでもなく能力的に難しいということを痛感させられたんですけど、練習ではできていますし、もう少し頑張ってなんとか彼女の夢をかなえられたらいいなと思っています。
(今後どう指導していくか)やり方としてはいままでとどこも変えるつもりはありません。とにかく同じレールの上を進んでいきたいと思っています。
(2回目のアクセルに関して成功率は厳しい。今回はやめようという決断は?)今回は一切考えていませんでした。とにかく挑戦しようと。今回は挑戦してみなきゃ分からない部分があったので、とりあえず挑戦して、ここから先をどうするかを、この先の練習を見て決めていきたいと思っています。
(浅田が最年長だったが、プレッシャーはあったのか)それはないんじゃないですか。立場は、どんな選手でも同じ道をたどっていくので受け止めていくしかないです。
(浅田のトリプルアクセルに対するこだわりについて)トリプルアクセルは素晴らしいジャンプだし、本人のなかではどうしても挑戦したいという気持ちがある。それを取り上げるようなことは彼女のテンションにも影響してくるので、そのへんのバランスを考えて、挑戦できる方向に持っていきたいと思っています。
(ジャンプのスピードは)普段に比べると若干あったのかなと思います。そのへんをどう取り組んでいくのか。体力の限界とどう向き合っていくのかが課題だと思います。
(トリプルアクセルを2回入れることで、ルッツと3回転+3回転を入れられなくなるが)それを最初から計算してしまうと、それじゃやめましょうとなってしまうので、いまはとにかく挑戦しようと思っています。
(現在の完成度は)技術的にはほぼできていると思います。ただ、大きな大会になってくるといろいろなプレッシャーがかかってしまうので、そこで微妙に何かが狂ってしまう。それをモノにするにはやはり回数しかない。ということでもう少し時間があればいいなと思うんですけどね。
(浅田はNHK杯のあとに急に2回入れることを思いついたと言っていたが、先生は想定していたのか?)当然出てくるなとは思っていました。ですからすんなりとやろうという運びになりました。
(2回入れるリスクは)たくさんあると思います。足し算引き算の問題ですからね。体力的に非常にエネルギーを使うわけですから、それによってそのあとの演技がとうなるのか。慎重に取り組んでいく必要があると思っています」
スポーツナビ 12月7日(土)23時27分配信
【真央「自分に対して挑戦していきたい」最高の演技目指しどこまでも貪欲に】

フィギュアスケートのグランプリファイナル第3日が7日、福岡マリンメッセで行われ、前日のショートプログラム(SP)首位の浅田真央(中京大学)がフリースケーティング(FS)で131.66点(技術点63.87点、演技構成点68.79点、、減点1.00点)、SPとの合計204.02点でGPファイナル2年連続4度目の優勝を飾った。
表彰式後のメダリスト会見で浅田は「自分が目指していたことがSPではできていたんですけど、FSではそれを達成できなくてとても悔しい気持ち」と、連覇したうれしさよりも、FSでのトリプルアクセル失敗に対する悔しさを強調。2週後の全日本選手権、そして来年2月のソチ五輪に向けてさらなる努力を誓うとともに、「1つひとつの試合で自分が目指している挑戦をするチャンスだと思いますし、自分に対してのチャレンジをしていきたい」と、どこまで貪欲にレベルアップしていくことを約束した。
また、今大会192.07点で2位のユリア・リプニツカヤ(ロシア)、187.61点で3位のアシュリー・ワグナー(米国)はともに、今季の浅田の印象を問われると「とても尊敬できる選手」と憧れの思いを口にした。
以下はメダリスト会見での浅田、リプニツカヤ、ワグナーのコメント。
【浅田「五輪までに自分が目指しているものをしっかりクリアに」】

――FSを終えたいまの気持ちは?
浅田「今回のファイナルでは自分が目指していたことがSPではできていたんですけど、FSではそれを達成できなくてとても悔しい気持ちです。最初の失敗を引きずることなく最後までカバーできたことは今後につながるかなと思っています」
リプニツカヤ「今日については大変満足しています。エレメンツも私が思っていたことができました」
ワグナー「今日の演技についてはパーフェクトではありませんでした。ただこういう日も必要だったかなと思います。もうすぐ全米選手権もあるんですけど、今季はこれまでクリーンに滑れていたので、今回ミスをしたことで自分が何を練習しなければいけないかが分かりました。3回転+3回転を演技のなかに入れて、それを跳べたことはハッピーでしたけど、まだやらなければいけないことがあります」
――3選手にお聞きします。今日のFSのジャンプは最高レベルのものか? あとはソチ五輪に向けてどういうふうにやっていきたいか教えてください。
浅田「今日、自分が挑もうとしていたプログラム構成は、いま自分ができる最高のレベルです。五輪に向けては、まだ行けるか決まっていないんですが、1つひとつ課題をクリアにしていけば近づいてくると思うので、五輪までに自分が目指しているものをしっかりクリアにしていき、試合に臨みたいと思っています」
リプニツカヤ「連続ジャンプをもう少し難しくできますが、現在のところ私としては最高レベルのプログラムを滑りました。今後については、後半に連続ジャンプを入れることもできるかもしれません。五輪についてはまだ私は選ばれていませんので、ロシアで選考してもらえるように頑張らないといけません。もし選ばれたら、もちろんうれしいし、そうなりたいと思います。ソチでは私ができることをお見せできればいいなと思います」
ワグナー「全米選手権も間もなくだし、五輪も近づいていますが、エレメントに関しては今回滑ったものとそう変わらないと思います。コンビネーションジャンプが変わるかもしれませんが、ほとんどが同じだと思います。五輪に向けては、FSのプログラムは中身を発展させて、キャラクターを充実させていきたいと思っています。SPについては、もう少し全体的にまとめていきたいと思っています」
【トリプルアクセル2本は「いまできるチャンスに挑戦したい」】

――浅田選手、GPファイナルは気が変わらなければ最後になります。8年前に初めて日本で出場して優勝して、最後にまた日本で優勝したことについてどう思いますか?
浅田「初めて出たのが15歳のときだったと思うんですけど、時間が経つのが早いなと思います。今回は順位よりも自分が目指しているレベルの演技をしようと思っていたので、SPは満足していますが、FSはまだまだ目指しているエレメンツをクリアにすることができなかったので、悔いは残っています。ただ、そのほかの部分でうまくカバーできたので、1つひとつの試合で自分が目指している挑戦をするチャンスだと思いますし、自分に対してのチャレンジをしていきたいと思っています」
――トリプルアクセルを2回入れることを決断した経緯に関して詳しく教えてください。
浅田「NHK杯からアクセルを2回入れることを急に思いついて、できるんじゃないかと。初戦から練習してきたことを出すことはできていないんですけど、いまできるチャンスに挑戦したいと思ったのがきっかけです」
――リプニツカヤ選手とワグナー選手への質問です。現在、浅田選手が絶対的な強さを誇っていますが、お2人にとって浅田選手はどのような存在に映りますか?
リプニツカヤ「私は浅田真央選手が世界で一番強い選手だと思っています。特に私が好きなのは非常に滑走がきれいで、なめらかな滑りを見せる部分で、すごく尊敬しています」
ワグナー「今季、浅田選手はとても強いです。特に女性のスケーターでトリプルアクセルをやるんだということを言う選手は、それだけで尊敬できる選手だと思います。私にとっても非常に尊敬できる存在です」
――トリプルアクセルを2回入れたことで、ルッツや3回転+3回転を入れられなくなっているが、それについてはどうしていくのか?
浅田「アクセルを2回入れるとそのあとの構成が全部変わってしまいます。アクセルが1回のときはルッツや3回転+3回転を入れられるんですが、アクセルを2回入れると体力的にも負担はあるので、いまの時点では今回の構成でいくつもりです」
スポーツナビ 2013年12月7日 23:08
フィギュアスケートのグランプリファイナル第3日が7日、福岡マリンメッセで行われ、前日のショートプログラム(SP)首位の浅田真央(中京大学)がフリースケーティング(FS)で131.66点(技術点63.87点、演技構成点68.79点、、減点1.00点)、SPとの合計204.02点でGPファイナル2年連続4度目の優勝を飾った。
表彰式後のメダリスト会見で浅田は「自分が目指していたことがSPではできていたんですけど、FSではそれを達成できなくてとても悔しい気持ち」と、連覇したうれしさよりも、FSでのトリプルアクセル失敗に対する悔しさを強調。2週後の全日本選手権、そして来年2月のソチ五輪に向けてさらなる努力を誓うとともに、「1つひとつの試合で自分が目指している挑戦をするチャンスだと思いますし、自分に対してのチャレンジをしていきたい」と、どこまで貪欲にレベルアップしていくことを約束した。
また、今大会192.07点で2位のユリア・リプニツカヤ(ロシア)、187.61点で3位のアシュリー・ワグナー(米国)はともに、今季の浅田の印象を問われると「とても尊敬できる選手」と憧れの思いを口にした。
以下はメダリスト会見での浅田、リプニツカヤ、ワグナーのコメント。
【浅田「五輪までに自分が目指しているものをしっかりクリアに」】
――FSを終えたいまの気持ちは?
浅田「今回のファイナルでは自分が目指していたことがSPではできていたんですけど、FSではそれを達成できなくてとても悔しい気持ちです。最初の失敗を引きずることなく最後までカバーできたことは今後につながるかなと思っています」
リプニツカヤ「今日については大変満足しています。エレメンツも私が思っていたことができました」
ワグナー「今日の演技についてはパーフェクトではありませんでした。ただこういう日も必要だったかなと思います。もうすぐ全米選手権もあるんですけど、今季はこれまでクリーンに滑れていたので、今回ミスをしたことで自分が何を練習しなければいけないかが分かりました。3回転+3回転を演技のなかに入れて、それを跳べたことはハッピーでしたけど、まだやらなければいけないことがあります」
――3選手にお聞きします。今日のFSのジャンプは最高レベルのものか? あとはソチ五輪に向けてどういうふうにやっていきたいか教えてください。
浅田「今日、自分が挑もうとしていたプログラム構成は、いま自分ができる最高のレベルです。五輪に向けては、まだ行けるか決まっていないんですが、1つひとつ課題をクリアにしていけば近づいてくると思うので、五輪までに自分が目指しているものをしっかりクリアにしていき、試合に臨みたいと思っています」
リプニツカヤ「連続ジャンプをもう少し難しくできますが、現在のところ私としては最高レベルのプログラムを滑りました。今後については、後半に連続ジャンプを入れることもできるかもしれません。五輪についてはまだ私は選ばれていませんので、ロシアで選考してもらえるように頑張らないといけません。もし選ばれたら、もちろんうれしいし、そうなりたいと思います。ソチでは私ができることをお見せできればいいなと思います」
ワグナー「全米選手権も間もなくだし、五輪も近づいていますが、エレメントに関しては今回滑ったものとそう変わらないと思います。コンビネーションジャンプが変わるかもしれませんが、ほとんどが同じだと思います。五輪に向けては、FSのプログラムは中身を発展させて、キャラクターを充実させていきたいと思っています。SPについては、もう少し全体的にまとめていきたいと思っています」
【トリプルアクセル2本は「いまできるチャンスに挑戦したい」】
――浅田選手、GPファイナルは気が変わらなければ最後になります。8年前に初めて日本で出場して優勝して、最後にまた日本で優勝したことについてどう思いますか?
浅田「初めて出たのが15歳のときだったと思うんですけど、時間が経つのが早いなと思います。今回は順位よりも自分が目指しているレベルの演技をしようと思っていたので、SPは満足していますが、FSはまだまだ目指しているエレメンツをクリアにすることができなかったので、悔いは残っています。ただ、そのほかの部分でうまくカバーできたので、1つひとつの試合で自分が目指している挑戦をするチャンスだと思いますし、自分に対してのチャレンジをしていきたいと思っています」
――トリプルアクセルを2回入れることを決断した経緯に関して詳しく教えてください。
浅田「NHK杯からアクセルを2回入れることを急に思いついて、できるんじゃないかと。初戦から練習してきたことを出すことはできていないんですけど、いまできるチャンスに挑戦したいと思ったのがきっかけです」
――リプニツカヤ選手とワグナー選手への質問です。現在、浅田選手が絶対的な強さを誇っていますが、お2人にとって浅田選手はどのような存在に映りますか?
リプニツカヤ「私は浅田真央選手が世界で一番強い選手だと思っています。特に私が好きなのは非常に滑走がきれいで、なめらかな滑りを見せる部分で、すごく尊敬しています」
ワグナー「今季、浅田選手はとても強いです。特に女性のスケーターでトリプルアクセルをやるんだということを言う選手は、それだけで尊敬できる選手だと思います。私にとっても非常に尊敬できる存在です」
――トリプルアクセルを2回入れたことで、ルッツや3回転+3回転を入れられなくなっているが、それについてはどうしていくのか?
浅田「アクセルを2回入れるとそのあとの構成が全部変わってしまいます。アクセルが1回のときはルッツや3回転+3回転を入れられるんですが、アクセルを2回入れると体力的にも負担はあるので、いまの時点では今回の構成でいくつもりです」
スポーツナビ 2013年12月7日 23:08
【真央、トリプルアクセル転倒も200点超えでGPファイナル2連覇】

フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナル第3日が7日、マリンメッセ福岡で行われ、女子フリースケーティングでショートプログラム(SP)首位の浅田真央(SP)が、冒頭のトリプルアクセルで転倒し、2本目のトリプルアクセルも両足着氷となるも、後半は演技をまとめ、131.66点(技術点63.87点、演技構成点68.79点、、減点1.00点)、SPとの合計点204.02点をマークし、GPファイナル2連覇を達成した。
2位はSP4位のユリア・リプニツカヤ(ロシア)がフリー得点125.45点(技術点64.93点、演技構成点60.52点)、SPとの合計192.07点で順位を2つ上げた。また、3位にはSP3位のアシュリー・ワグナー(米国)がフリー得点119.47点(技術点56.06点、演技構成点64.41点、減点1点)、SPとの合計187.61点で入っている。
スポーツナビ 12月7日(土)20時21分配信
【真央、GPファイナル連覇…ソチへ大きく前進】

フィギュアスケート・グランプリ(GP)ファイナル最終日(7日・マリンメッセ福岡)――女子はショートプログラム(SP)1位の浅田真央(中京大)が、フリーでも1位となり、合計204・02点で2年連続4度目の優勝を飾った。
優勝回数ではイリーナ・スルツカヤ(ロシア)の最多記録に並んだ。この大会は来年2月のソチ五輪日本代表選考対象大会で、浅田は銀メダルを獲得したバンクーバー五輪に続く2大会連続出場に向けて大きく前進した。15歳のユリア・リプニツカヤ(ロシア)が2位。
読売新聞 12月7日(土)20時23分配信
【浅田真央がGPファイナル連覇 Tアクセル失敗も立て直し「オリンピックにつなげたい」】
「フィギュアスケートGPファイナル・最終日」(7日、マリンメッセ福岡)
女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)で首位に立っていた浅田真央(中京大)が131・66点をマークし、総合204・02点で優勝した。
昨年に引き続いての連覇となり、GPファイナルの優勝回数も男女併せても歴代最多タイ(男子はプルシェンコ、女子はスルツカヤ=ともにロシア)となる4度目となった。
2位には、SPで4位と出遅れたユリア・リプニツカヤ(ロシア)がフリー125・45点の総合192・07点で入り、3位にはフリー119・47点、総合187・61点のアシュリー・ワグナー(米国)が入った。
バンクーバー五輪シーズン以来となる、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を2度入れるプログラムで臨んだ真央。冒頭のトリプルアクセルで転倒し、直後のトリプルアクセルも回転不足の判定となったが、そこからは立て直しを見せる。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番に乗って、思いを込めた滑りを披露。表現力を示す5項目の構成点では、全項目で8点台をマークした。
浅田はテレビのインタビューで「今日は途中で失敗して、途中で体力が持つか心配でしたが、どうにか持つことができました。アクセルを2度を挑戦できたことを次につなげたい。新しい課題も見つかったと思いますので、次の試合までにしっかり調整し、オリンピックにつなげたいと思います。今日は悔しい思いもありますが、次にまた挑戦できるように頑張ります」と話した。
今大会、女子日本勢のGPファイナル出場は真央一人のみ。ファイナルでの優勝を決めたことで、最終選考の場となる全日本選手権(21日開幕・さいたまスーパーアリーナ)を前に、ソチ五輪の出場権獲得は決定的となった。
デイリースポーツ 12月7日(土)21時29分配信
【浅田真央 GPファイナル最多タイ4度目V】

フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルは7日、福岡市のマリンメッセ福岡で女子のフリーが行われ、浅田真央(中京大)が2年連続で、女子の大会最多に並ぶ4回目の優勝を果たした。日本勢は男子でも羽生結弦(ゆづる)(ANA)が優勝しており、昨年の浅田と高橋大輔(関大大学院)に続く男女制覇となった。
5日のショートプログラム(SP)で1位だった浅田は、フリーで4季ぶりに3回転半ジャンプ(トリプルアクセル)を2回試みたものの、いずれも失敗。だがその後は立て直し、フリーも131.66点でトップ。合計では204.02点で2位以下に大差をつけた。【石井朗生】
日本のエースがまた一つ勝利を重ねた。浅田真央の2連覇。自己最高得点にフリーは4.67点、合計は3.57点及ばなかったが、今季3大会連続で合計で200点を超えた。
優勝4回はイリーナ・スルツカヤ(ロシア)と並び女子最多。ファイナルを含むGP通算14勝はスルツカヤの17勝に次ぎ女子歴代で単独2位となった。
2位はSP4位から浮上したファイナル初出場のユリア・リプニツカヤ(ロシア)。3位のアシュリー・ワグナー(米国)は昨年の2位に続き表彰台に上がった。
アイスダンスでは昨季世界選手権覇者のメリル・デービス、チャーリー・ホワイト組(米国)が5連覇した。
最終日の8日はエキシビションが行われる。ソチ五輪の日本代表最終選考会となる全日本選手権は21日から、さいたまスーパーアリーナで開かれる。
毎日新聞 12月7日(土)22時43分配信
フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナル第3日が7日、マリンメッセ福岡で行われ、女子フリースケーティングでショートプログラム(SP)首位の浅田真央(SP)が、冒頭のトリプルアクセルで転倒し、2本目のトリプルアクセルも両足着氷となるも、後半は演技をまとめ、131.66点(技術点63.87点、演技構成点68.79点、、減点1.00点)、SPとの合計点204.02点をマークし、GPファイナル2連覇を達成した。
2位はSP4位のユリア・リプニツカヤ(ロシア)がフリー得点125.45点(技術点64.93点、演技構成点60.52点)、SPとの合計192.07点で順位を2つ上げた。また、3位にはSP3位のアシュリー・ワグナー(米国)がフリー得点119.47点(技術点56.06点、演技構成点64.41点、減点1点)、SPとの合計187.61点で入っている。
スポーツナビ 12月7日(土)20時21分配信
【真央、GPファイナル連覇…ソチへ大きく前進】
フィギュアスケート・グランプリ(GP)ファイナル最終日(7日・マリンメッセ福岡)――女子はショートプログラム(SP)1位の浅田真央(中京大)が、フリーでも1位となり、合計204・02点で2年連続4度目の優勝を飾った。
優勝回数ではイリーナ・スルツカヤ(ロシア)の最多記録に並んだ。この大会は来年2月のソチ五輪日本代表選考対象大会で、浅田は銀メダルを獲得したバンクーバー五輪に続く2大会連続出場に向けて大きく前進した。15歳のユリア・リプニツカヤ(ロシア)が2位。
読売新聞 12月7日(土)20時23分配信
【浅田真央がGPファイナル連覇 Tアクセル失敗も立て直し「オリンピックにつなげたい」】
「フィギュアスケートGPファイナル・最終日」(7日、マリンメッセ福岡)
女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)で首位に立っていた浅田真央(中京大)が131・66点をマークし、総合204・02点で優勝した。
昨年に引き続いての連覇となり、GPファイナルの優勝回数も男女併せても歴代最多タイ(男子はプルシェンコ、女子はスルツカヤ=ともにロシア)となる4度目となった。
2位には、SPで4位と出遅れたユリア・リプニツカヤ(ロシア)がフリー125・45点の総合192・07点で入り、3位にはフリー119・47点、総合187・61点のアシュリー・ワグナー(米国)が入った。
バンクーバー五輪シーズン以来となる、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を2度入れるプログラムで臨んだ真央。冒頭のトリプルアクセルで転倒し、直後のトリプルアクセルも回転不足の判定となったが、そこからは立て直しを見せる。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番に乗って、思いを込めた滑りを披露。表現力を示す5項目の構成点では、全項目で8点台をマークした。
浅田はテレビのインタビューで「今日は途中で失敗して、途中で体力が持つか心配でしたが、どうにか持つことができました。アクセルを2度を挑戦できたことを次につなげたい。新しい課題も見つかったと思いますので、次の試合までにしっかり調整し、オリンピックにつなげたいと思います。今日は悔しい思いもありますが、次にまた挑戦できるように頑張ります」と話した。
今大会、女子日本勢のGPファイナル出場は真央一人のみ。ファイナルでの優勝を決めたことで、最終選考の場となる全日本選手権(21日開幕・さいたまスーパーアリーナ)を前に、ソチ五輪の出場権獲得は決定的となった。
デイリースポーツ 12月7日(土)21時29分配信
【浅田真央 GPファイナル最多タイ4度目V】
フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルは7日、福岡市のマリンメッセ福岡で女子のフリーが行われ、浅田真央(中京大)が2年連続で、女子の大会最多に並ぶ4回目の優勝を果たした。日本勢は男子でも羽生結弦(ゆづる)(ANA)が優勝しており、昨年の浅田と高橋大輔(関大大学院)に続く男女制覇となった。
5日のショートプログラム(SP)で1位だった浅田は、フリーで4季ぶりに3回転半ジャンプ(トリプルアクセル)を2回試みたものの、いずれも失敗。だがその後は立て直し、フリーも131.66点でトップ。合計では204.02点で2位以下に大差をつけた。【石井朗生】
日本のエースがまた一つ勝利を重ねた。浅田真央の2連覇。自己最高得点にフリーは4.67点、合計は3.57点及ばなかったが、今季3大会連続で合計で200点を超えた。
優勝4回はイリーナ・スルツカヤ(ロシア)と並び女子最多。ファイナルを含むGP通算14勝はスルツカヤの17勝に次ぎ女子歴代で単独2位となった。
2位はSP4位から浮上したファイナル初出場のユリア・リプニツカヤ(ロシア)。3位のアシュリー・ワグナー(米国)は昨年の2位に続き表彰台に上がった。
アイスダンスでは昨季世界選手権覇者のメリル・デービス、チャーリー・ホワイト組(米国)が5連覇した。
最終日の8日はエキシビションが行われる。ソチ五輪の日本代表最終選考会となる全日本選手権は21日から、さいたまスーパーアリーナで開かれる。
毎日新聞 12月7日(土)22時43分配信