フィギュアスケーターの浅田真央さんを応援するブログ
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【トリプルアクセル成功「ベスト3に入るくらいの演技」】

日本中を感動の涙に包んだソチ五輪の女子フリースケーティング(FS)から約1カ月。浅田真央(中京大)が再び大観衆を熱狂させた。3月27日に行われたフィギュアスケート世界選手権の女子ショートプログラム(SP)は、パーフェクトな演技を披露した浅田が女子SPの世界歴代最高得点となる78.66点をたたき出し、首位に立った。
演技冒頭のトリプルアクセル。スピードに乗った助走から高く前に跳び上がると、着氷もきれいに決まった。「『やった!』って思いました」という会心の大技に付いたGOE(出来栄え点)は1.86点と高い加点。これで流れに乗った浅田は、『ノクターン』の優しい旋律に合わせ、1つずつ丁寧かつ華麗に技を繰り出していく。初恋のイメージそのままに浅田の表情も柔和になり、会場内は幸せな雰囲気に包まれていった。最後のレイバックスピンで回っている最中に、待ち切れなくなったファンはスタンディングオベーションを始める。地鳴りのような大歓声、リンクに投げ込まれるたくさんの花束。誰もが浅田の演技に酔いしれていた。
「今日は自分の知っている方もたくさん見に来てくれていました。今まで支えてくださった方のため、応援してくださるファンのため、そして自分のためにも良い演技をしようと思っていました」
78.66点は、2010年のバンクーバー五輪でキム・ヨナ(韓国)が出した78.50点という記録を上回る。4年間破られることがなかった前人未到のスコアを、集大成のシーズンに、しかも日本開催の世界選手権で打ち立てた浅田。「今日のSPは、私が今までの試合で滑ってきた中でも、ベスト3に入るくらいの演技だったと思います。自分の点数にびっくりしていますし、歴代最高得点と聞いたときはすごくうれしかった」と、本人も大満足の結果だったようだ。
【悔しさが残ったソチ五輪】
浅田にとって、今大会のテーマを一言で表すならば「雪辱」となる。2月のソチ五輪では金メダル獲得を目標に掲げながら、結果は6位。FSでアクセルを含めた6種類のトリプルジャンプを転倒なく跳び切るなど本来の実力を発揮したが、SPの出遅れが響き、表彰台にすら届かなかった。
ソチではのしかかるプレッシャーに本来の自分を見失っていた。大会前まで好調を維持していながら、団体戦のSPで今季ワーストのスコア(64.07点)を出すと、そのまま悪い流れを個人戦のSPまで引きずってしまった。「やっぱり気持ちに問題がありましたね。自分が思っていたより、プレッシャーに押しつぶされていたみたいです」。今は冷静に分析できる。だが当時は「どうしてこうなったのか原因が分からない」と、茫然自失の状態だった。
開き直るしかなかったFSでは「久々にやり切ったと思える演技ができた」と笑顔を見せたものの、悔しさは消えていなかった。帰国後も世界選手権に向けてすぐに練習を開始。1週間ほどは試合の疲れや時差の影響で、体力的にも厳しかったようだが、その後は五輪前と変わらない練習量を積んできた。
「五輪では取り返しのつかないミスをしてしまい、すごく悔しかったんです。そういう意味でこの世界選手権は自分にとって、非常に重要な大会です。これまで経験してきたことを生かして、自分を追い込んでいきたいと思っています」
SPを2日後に控えた公式記者会見で、浅田は静かにそう決意を語った。
【目標が“内容”で良い効果を生む】

24日に現地入りした浅田は好調を維持していた。初日の公式練習からトリプルアクセルは高い確率で成功。五輪期間中は日によって1度も跳べないことがあったものの、今回は安定感があった。何より良かったのがその表情だ。プレッシャーに苛まれている様子はなく、時おり笑顔を見せながら、充実感を漂わせていた。
世界選手権の目標を「SPとFSで良い演技を2つそろえること」にしているのも良い効果を生んでいる。五輪の目標が「金メダル」という“結果”だったことに対して、今回はより“内容”に重きを置いている。自分の演技に集中すれば、自ずと得点は付いてくるもの。浅田もそれを感じていた。
「今日はアクセルも良かったですし、ほかの要素もすべて今季ベストでした。自分の気持ちが後ろ向きになってしまってはだめだと思うので、とにかく何も考えず無心になれたことが良かったと思います」
五輪で味わった苦い経験が浅田を駆り立てる原動力になったことは間違いない。SPの『ノクターン』は昔から思い入れが強い曲で、だからこそ集大成のシーズンに滑ることを選んだ。にもかかわらず、ソチでは満足のいく演技ができなかったのだ。
「私は今回滑る前に、五輪の悔しさを晴らしたいと思ってずっとやってきました。なので今日は最初からしっかり集中して自分の愛溢れる『ノクターン』を滑ろうと。こういう演技ができたのもそうした気持ちがあったからかもしれません」
【6種類トリプルに再び挑戦】
世界歴代最高得点を出しながら、浅田と2位カロリーナ・コストナー(イタリア)の差はわずか1.42点しかない。ソチ五輪の金・銀メダリストは不在だが、5位のグレイシー・ゴールド(米国)までが70点台をたたき出すなど、今大会はまれに見るハイレベルな争いとなっている。火をつけたのは5人のうち1番最初に滑った浅田だった。今季最終戦を良い形で締めくくるには、目標としていたようにFSでも最高の演技を披露する必要がある。
現時点ではソチ五輪と同様に、6種類トリプルに再び挑戦することが有力視されている。前回は大きなミスこそなかったものの、苦手のルッツでエラーを取られており、完璧な演技とは言えなかった。今大会はソチ以上の滑りを目指している。浅田の目はすでにFSへ向いていた。
「今日の演技に点数をつけるとしたら100点です。今シーズン最後の試合でこういう演技ができたのは最高ですけど、まだFSが残っています。五輪で叶わなかったSPとFSで2つ良い演技をそろえるという目標は半分しかクリアしていないので、気持ちを切り替えたいと思います」
現在の調子であれば、この目標を達成する可能性は十分にあるだろう。FSで6種類トリプルを成功させれば、キム・ヨナが持つ合計スコアの世界歴代最高得点(228.56点)更新も決して夢ではないはずだ。さらなる高みへ――浅田真央は進化を止めない。
<了>
(取材・文:大橋護良/スポーツナビ) 2014年3月28日 11:15
日本中を感動の涙に包んだソチ五輪の女子フリースケーティング(FS)から約1カ月。浅田真央(中京大)が再び大観衆を熱狂させた。3月27日に行われたフィギュアスケート世界選手権の女子ショートプログラム(SP)は、パーフェクトな演技を披露した浅田が女子SPの世界歴代最高得点となる78.66点をたたき出し、首位に立った。
演技冒頭のトリプルアクセル。スピードに乗った助走から高く前に跳び上がると、着氷もきれいに決まった。「『やった!』って思いました」という会心の大技に付いたGOE(出来栄え点)は1.86点と高い加点。これで流れに乗った浅田は、『ノクターン』の優しい旋律に合わせ、1つずつ丁寧かつ華麗に技を繰り出していく。初恋のイメージそのままに浅田の表情も柔和になり、会場内は幸せな雰囲気に包まれていった。最後のレイバックスピンで回っている最中に、待ち切れなくなったファンはスタンディングオベーションを始める。地鳴りのような大歓声、リンクに投げ込まれるたくさんの花束。誰もが浅田の演技に酔いしれていた。
「今日は自分の知っている方もたくさん見に来てくれていました。今まで支えてくださった方のため、応援してくださるファンのため、そして自分のためにも良い演技をしようと思っていました」
78.66点は、2010年のバンクーバー五輪でキム・ヨナ(韓国)が出した78.50点という記録を上回る。4年間破られることがなかった前人未到のスコアを、集大成のシーズンに、しかも日本開催の世界選手権で打ち立てた浅田。「今日のSPは、私が今までの試合で滑ってきた中でも、ベスト3に入るくらいの演技だったと思います。自分の点数にびっくりしていますし、歴代最高得点と聞いたときはすごくうれしかった」と、本人も大満足の結果だったようだ。
【悔しさが残ったソチ五輪】
浅田にとって、今大会のテーマを一言で表すならば「雪辱」となる。2月のソチ五輪では金メダル獲得を目標に掲げながら、結果は6位。FSでアクセルを含めた6種類のトリプルジャンプを転倒なく跳び切るなど本来の実力を発揮したが、SPの出遅れが響き、表彰台にすら届かなかった。
ソチではのしかかるプレッシャーに本来の自分を見失っていた。大会前まで好調を維持していながら、団体戦のSPで今季ワーストのスコア(64.07点)を出すと、そのまま悪い流れを個人戦のSPまで引きずってしまった。「やっぱり気持ちに問題がありましたね。自分が思っていたより、プレッシャーに押しつぶされていたみたいです」。今は冷静に分析できる。だが当時は「どうしてこうなったのか原因が分からない」と、茫然自失の状態だった。
開き直るしかなかったFSでは「久々にやり切ったと思える演技ができた」と笑顔を見せたものの、悔しさは消えていなかった。帰国後も世界選手権に向けてすぐに練習を開始。1週間ほどは試合の疲れや時差の影響で、体力的にも厳しかったようだが、その後は五輪前と変わらない練習量を積んできた。
「五輪では取り返しのつかないミスをしてしまい、すごく悔しかったんです。そういう意味でこの世界選手権は自分にとって、非常に重要な大会です。これまで経験してきたことを生かして、自分を追い込んでいきたいと思っています」
SPを2日後に控えた公式記者会見で、浅田は静かにそう決意を語った。
【目標が“内容”で良い効果を生む】
24日に現地入りした浅田は好調を維持していた。初日の公式練習からトリプルアクセルは高い確率で成功。五輪期間中は日によって1度も跳べないことがあったものの、今回は安定感があった。何より良かったのがその表情だ。プレッシャーに苛まれている様子はなく、時おり笑顔を見せながら、充実感を漂わせていた。
世界選手権の目標を「SPとFSで良い演技を2つそろえること」にしているのも良い効果を生んでいる。五輪の目標が「金メダル」という“結果”だったことに対して、今回はより“内容”に重きを置いている。自分の演技に集中すれば、自ずと得点は付いてくるもの。浅田もそれを感じていた。
「今日はアクセルも良かったですし、ほかの要素もすべて今季ベストでした。自分の気持ちが後ろ向きになってしまってはだめだと思うので、とにかく何も考えず無心になれたことが良かったと思います」
五輪で味わった苦い経験が浅田を駆り立てる原動力になったことは間違いない。SPの『ノクターン』は昔から思い入れが強い曲で、だからこそ集大成のシーズンに滑ることを選んだ。にもかかわらず、ソチでは満足のいく演技ができなかったのだ。
「私は今回滑る前に、五輪の悔しさを晴らしたいと思ってずっとやってきました。なので今日は最初からしっかり集中して自分の愛溢れる『ノクターン』を滑ろうと。こういう演技ができたのもそうした気持ちがあったからかもしれません」
【6種類トリプルに再び挑戦】
世界歴代最高得点を出しながら、浅田と2位カロリーナ・コストナー(イタリア)の差はわずか1.42点しかない。ソチ五輪の金・銀メダリストは不在だが、5位のグレイシー・ゴールド(米国)までが70点台をたたき出すなど、今大会はまれに見るハイレベルな争いとなっている。火をつけたのは5人のうち1番最初に滑った浅田だった。今季最終戦を良い形で締めくくるには、目標としていたようにFSでも最高の演技を披露する必要がある。
現時点ではソチ五輪と同様に、6種類トリプルに再び挑戦することが有力視されている。前回は大きなミスこそなかったものの、苦手のルッツでエラーを取られており、完璧な演技とは言えなかった。今大会はソチ以上の滑りを目指している。浅田の目はすでにFSへ向いていた。
「今日の演技に点数をつけるとしたら100点です。今シーズン最後の試合でこういう演技ができたのは最高ですけど、まだFSが残っています。五輪で叶わなかったSPとFSで2つ良い演技をそろえるという目標は半分しかクリアしていないので、気持ちを切り替えたいと思います」
現在の調子であれば、この目標を達成する可能性は十分にあるだろう。FSで6種類トリプルを成功させれば、キム・ヨナが持つ合計スコアの世界歴代最高得点(228.56点)更新も決して夢ではないはずだ。さらなる高みへ――浅田真央は進化を止めない。
<了>
(取材・文:大橋護良/スポーツナビ) 2014年3月28日 11:15
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【生涯ベスト3の演技】
フィギュアスケート世界選手権の女子シングルSPでパーフェクトな演技を披露し、SP得点78.66点(技術点42.81点、演技構成点35.85点)という、キム・ヨナ超えの世界歴代最高点をマークした浅田真央。とりわけ、プログラムの冒頭で見せた「トリプルアクセル」では、出来映えを示すGOEが1.86点という極めて高い評価を受け、2009年の国別対抗戦でマークした自己ベストの75.84点を5年ぶりに更新する大きな要因となった。
浅田自身が「今までの試合で滑ってきた中でベスト3に入る演技だった」と笑顔で振り返った渾身のパフォーマンス。「見に来ていた知り合いや、たくさんのファンの方、今まで支えてくださった方、そして自分のためにも良い演技をしようと思って滑った」と語る表情には満足感が漂っていたが、浅田の演技から強烈なインパクトを受けていたのはそれらの人々だけではなかった。
「ワァオ!」。浅田のトリプルアクセルが決まった瞬間、客席の一部に設けられた関係者席で思い切り拍手をしたのは、すでに自身の演技を終えていた米国の15歳、ポリーナ・エドモンズだった。
1月の全米選手権で2位になり、駆け足で出場したソチ五輪では9位と大健闘。次世代のヒロイン候補の一人である愛らしい新鋭は、浅田の演技が終わるやいなや真っ先に立ち上がり、うっとりした表情を浮かべながら拍手を送った。
エドモンズと同様に浅田より前のグループで滑り終え、客席から真剣な視線を送っていたのは、ロシアの15歳、アンナ・ポゴリラヤだ。ロシア女子シングルはソチ五輪の出場枠が2つしかなかったため、アデリナ・ソトニコワとユリア・リプニツカヤに五輪出場権を持って行かれたが、今季のGPシリーズ中国杯で優勝を果たした実績が示すように、その才能は折り紙付き。こちらも浅田のアクセルジャンプが決まるたびに拍手をし、最後は大勢の観客と一緒にスタンディング・オベーションを送っていた。
【トリプルアクセルの伝説】
日進月歩でテクニックが進化していくのがスポーツ界の常だが、女子フィギュアに関しては現在、世界レベルの大会でトリプルアクセルを跳んでいる選手は浅田しかいない。
しかも、伊藤みどりさんが22年前のアルベールビル五輪で女子として初めてトリプルアクセルを成功させて以来、五輪で成功させたのはバンクーバー五輪とソチ五輪の浅田だけ。だからこそ浅田は「アクセルは自分にしかできないジャンプだから」と、このジャンプに強い思い入れを見せ、調子が悪くても妥協することなくプログラムに取り入れてきた。
「小さい頃から、伊藤みどりさんにずっと憧れていた。オリンピックでは、伊藤みどりさんが跳んだトリプルアクセルを、自分も受け継いでいきたいと思ってきた」と言うのだ。
「集大成」という位置づけで臨んだソチ五輪を終えた今、来季以降の去就はいまだ不透明だが、仮に浅田が引退するとなればこのままトリプルアクセルが女子フィギュア界から消滅してしまうことになりかねない。しかし、世界選手権という大舞台で、これ以上ないほどの出来映えのトリプルアクセルを見せたことで、影響を受けた若手や子どもたちが将来、トリプルアクセルを継承していくかもしれない。そのためにも今回の大成功は意義深いことだったのだ。
SPの1位から3位までが出席して行われた会見では、海外メディアから「フィギュア界で最も古い、2010年にキム・ヨナ選手が作った記録を抜いた。しかもトリプルアクセルを入れて、新記録を作った。それに対してどう感じているか?」という質問が出た。浅田は「世界歴代最高と聞いたときはとてもビックリしたし、うれしかった。得点というのは後からついてくるものでいつもは目標にしていないが、トリプルアクセルという、現時点で自分しかできないジャンプを入れての最高の演技での得点だったのだなと感じている」と返した。
SPでは「100点(満点)です」と自己評価した浅田。次の目標は、フリーで再びトリプルアクセルを成功させ、最高の演技でシーズンを締めくくることだ。それはフィギュア界の未来にトリプルアクセルを継承していくこと、そして「トリプルアクセルの浅田」という伝説をつくっていくことへとつながる。
(文責・矢内由美子/スポーツライター)
THE PAGE 2014.3.28 02:56
フィギュアスケート世界選手権の女子シングルSPでパーフェクトな演技を披露し、SP得点78.66点(技術点42.81点、演技構成点35.85点)という、キム・ヨナ超えの世界歴代最高点をマークした浅田真央。とりわけ、プログラムの冒頭で見せた「トリプルアクセル」では、出来映えを示すGOEが1.86点という極めて高い評価を受け、2009年の国別対抗戦でマークした自己ベストの75.84点を5年ぶりに更新する大きな要因となった。
浅田自身が「今までの試合で滑ってきた中でベスト3に入る演技だった」と笑顔で振り返った渾身のパフォーマンス。「見に来ていた知り合いや、たくさんのファンの方、今まで支えてくださった方、そして自分のためにも良い演技をしようと思って滑った」と語る表情には満足感が漂っていたが、浅田の演技から強烈なインパクトを受けていたのはそれらの人々だけではなかった。
「ワァオ!」。浅田のトリプルアクセルが決まった瞬間、客席の一部に設けられた関係者席で思い切り拍手をしたのは、すでに自身の演技を終えていた米国の15歳、ポリーナ・エドモンズだった。
1月の全米選手権で2位になり、駆け足で出場したソチ五輪では9位と大健闘。次世代のヒロイン候補の一人である愛らしい新鋭は、浅田の演技が終わるやいなや真っ先に立ち上がり、うっとりした表情を浮かべながら拍手を送った。
エドモンズと同様に浅田より前のグループで滑り終え、客席から真剣な視線を送っていたのは、ロシアの15歳、アンナ・ポゴリラヤだ。ロシア女子シングルはソチ五輪の出場枠が2つしかなかったため、アデリナ・ソトニコワとユリア・リプニツカヤに五輪出場権を持って行かれたが、今季のGPシリーズ中国杯で優勝を果たした実績が示すように、その才能は折り紙付き。こちらも浅田のアクセルジャンプが決まるたびに拍手をし、最後は大勢の観客と一緒にスタンディング・オベーションを送っていた。
【トリプルアクセルの伝説】
日進月歩でテクニックが進化していくのがスポーツ界の常だが、女子フィギュアに関しては現在、世界レベルの大会でトリプルアクセルを跳んでいる選手は浅田しかいない。
しかも、伊藤みどりさんが22年前のアルベールビル五輪で女子として初めてトリプルアクセルを成功させて以来、五輪で成功させたのはバンクーバー五輪とソチ五輪の浅田だけ。だからこそ浅田は「アクセルは自分にしかできないジャンプだから」と、このジャンプに強い思い入れを見せ、調子が悪くても妥協することなくプログラムに取り入れてきた。
「小さい頃から、伊藤みどりさんにずっと憧れていた。オリンピックでは、伊藤みどりさんが跳んだトリプルアクセルを、自分も受け継いでいきたいと思ってきた」と言うのだ。
「集大成」という位置づけで臨んだソチ五輪を終えた今、来季以降の去就はいまだ不透明だが、仮に浅田が引退するとなればこのままトリプルアクセルが女子フィギュア界から消滅してしまうことになりかねない。しかし、世界選手権という大舞台で、これ以上ないほどの出来映えのトリプルアクセルを見せたことで、影響を受けた若手や子どもたちが将来、トリプルアクセルを継承していくかもしれない。そのためにも今回の大成功は意義深いことだったのだ。
SPの1位から3位までが出席して行われた会見では、海外メディアから「フィギュア界で最も古い、2010年にキム・ヨナ選手が作った記録を抜いた。しかもトリプルアクセルを入れて、新記録を作った。それに対してどう感じているか?」という質問が出た。浅田は「世界歴代最高と聞いたときはとてもビックリしたし、うれしかった。得点というのは後からついてくるものでいつもは目標にしていないが、トリプルアクセルという、現時点で自分しかできないジャンプを入れての最高の演技での得点だったのだなと感じている」と返した。
SPでは「100点(満点)です」と自己評価した浅田。次の目標は、フリーで再びトリプルアクセルを成功させ、最高の演技でシーズンを締めくくることだ。それはフィギュア界の未来にトリプルアクセルを継承していくこと、そして「トリプルアクセルの浅田」という伝説をつくっていくことへとつながる。
(文責・矢内由美子/スポーツライター)
THE PAGE 2014.3.28 02:56
動画をお借りします。