フィギュアスケーターの浅田真央さんを応援するブログ
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【生涯ベスト3の演技】
フィギュアスケート世界選手権の女子シングルSPでパーフェクトな演技を披露し、SP得点78.66点(技術点42.81点、演技構成点35.85点)という、キム・ヨナ超えの世界歴代最高点をマークした浅田真央。とりわけ、プログラムの冒頭で見せた「トリプルアクセル」では、出来映えを示すGOEが1.86点という極めて高い評価を受け、2009年の国別対抗戦でマークした自己ベストの75.84点を5年ぶりに更新する大きな要因となった。
浅田自身が「今までの試合で滑ってきた中でベスト3に入る演技だった」と笑顔で振り返った渾身のパフォーマンス。「見に来ていた知り合いや、たくさんのファンの方、今まで支えてくださった方、そして自分のためにも良い演技をしようと思って滑った」と語る表情には満足感が漂っていたが、浅田の演技から強烈なインパクトを受けていたのはそれらの人々だけではなかった。
「ワァオ!」。浅田のトリプルアクセルが決まった瞬間、客席の一部に設けられた関係者席で思い切り拍手をしたのは、すでに自身の演技を終えていた米国の15歳、ポリーナ・エドモンズだった。
1月の全米選手権で2位になり、駆け足で出場したソチ五輪では9位と大健闘。次世代のヒロイン候補の一人である愛らしい新鋭は、浅田の演技が終わるやいなや真っ先に立ち上がり、うっとりした表情を浮かべながら拍手を送った。
エドモンズと同様に浅田より前のグループで滑り終え、客席から真剣な視線を送っていたのは、ロシアの15歳、アンナ・ポゴリラヤだ。ロシア女子シングルはソチ五輪の出場枠が2つしかなかったため、アデリナ・ソトニコワとユリア・リプニツカヤに五輪出場権を持って行かれたが、今季のGPシリーズ中国杯で優勝を果たした実績が示すように、その才能は折り紙付き。こちらも浅田のアクセルジャンプが決まるたびに拍手をし、最後は大勢の観客と一緒にスタンディング・オベーションを送っていた。
【トリプルアクセルの伝説】
日進月歩でテクニックが進化していくのがスポーツ界の常だが、女子フィギュアに関しては現在、世界レベルの大会でトリプルアクセルを跳んでいる選手は浅田しかいない。
しかも、伊藤みどりさんが22年前のアルベールビル五輪で女子として初めてトリプルアクセルを成功させて以来、五輪で成功させたのはバンクーバー五輪とソチ五輪の浅田だけ。だからこそ浅田は「アクセルは自分にしかできないジャンプだから」と、このジャンプに強い思い入れを見せ、調子が悪くても妥協することなくプログラムに取り入れてきた。
「小さい頃から、伊藤みどりさんにずっと憧れていた。オリンピックでは、伊藤みどりさんが跳んだトリプルアクセルを、自分も受け継いでいきたいと思ってきた」と言うのだ。
「集大成」という位置づけで臨んだソチ五輪を終えた今、来季以降の去就はいまだ不透明だが、仮に浅田が引退するとなればこのままトリプルアクセルが女子フィギュア界から消滅してしまうことになりかねない。しかし、世界選手権という大舞台で、これ以上ないほどの出来映えのトリプルアクセルを見せたことで、影響を受けた若手や子どもたちが将来、トリプルアクセルを継承していくかもしれない。そのためにも今回の大成功は意義深いことだったのだ。
SPの1位から3位までが出席して行われた会見では、海外メディアから「フィギュア界で最も古い、2010年にキム・ヨナ選手が作った記録を抜いた。しかもトリプルアクセルを入れて、新記録を作った。それに対してどう感じているか?」という質問が出た。浅田は「世界歴代最高と聞いたときはとてもビックリしたし、うれしかった。得点というのは後からついてくるものでいつもは目標にしていないが、トリプルアクセルという、現時点で自分しかできないジャンプを入れての最高の演技での得点だったのだなと感じている」と返した。
SPでは「100点(満点)です」と自己評価した浅田。次の目標は、フリーで再びトリプルアクセルを成功させ、最高の演技でシーズンを締めくくることだ。それはフィギュア界の未来にトリプルアクセルを継承していくこと、そして「トリプルアクセルの浅田」という伝説をつくっていくことへとつながる。
(文責・矢内由美子/スポーツライター)
THE PAGE 2014.3.28 02:56
フィギュアスケート世界選手権の女子シングルSPでパーフェクトな演技を披露し、SP得点78.66点(技術点42.81点、演技構成点35.85点)という、キム・ヨナ超えの世界歴代最高点をマークした浅田真央。とりわけ、プログラムの冒頭で見せた「トリプルアクセル」では、出来映えを示すGOEが1.86点という極めて高い評価を受け、2009年の国別対抗戦でマークした自己ベストの75.84点を5年ぶりに更新する大きな要因となった。
浅田自身が「今までの試合で滑ってきた中でベスト3に入る演技だった」と笑顔で振り返った渾身のパフォーマンス。「見に来ていた知り合いや、たくさんのファンの方、今まで支えてくださった方、そして自分のためにも良い演技をしようと思って滑った」と語る表情には満足感が漂っていたが、浅田の演技から強烈なインパクトを受けていたのはそれらの人々だけではなかった。
「ワァオ!」。浅田のトリプルアクセルが決まった瞬間、客席の一部に設けられた関係者席で思い切り拍手をしたのは、すでに自身の演技を終えていた米国の15歳、ポリーナ・エドモンズだった。
1月の全米選手権で2位になり、駆け足で出場したソチ五輪では9位と大健闘。次世代のヒロイン候補の一人である愛らしい新鋭は、浅田の演技が終わるやいなや真っ先に立ち上がり、うっとりした表情を浮かべながら拍手を送った。
エドモンズと同様に浅田より前のグループで滑り終え、客席から真剣な視線を送っていたのは、ロシアの15歳、アンナ・ポゴリラヤだ。ロシア女子シングルはソチ五輪の出場枠が2つしかなかったため、アデリナ・ソトニコワとユリア・リプニツカヤに五輪出場権を持って行かれたが、今季のGPシリーズ中国杯で優勝を果たした実績が示すように、その才能は折り紙付き。こちらも浅田のアクセルジャンプが決まるたびに拍手をし、最後は大勢の観客と一緒にスタンディング・オベーションを送っていた。
【トリプルアクセルの伝説】
日進月歩でテクニックが進化していくのがスポーツ界の常だが、女子フィギュアに関しては現在、世界レベルの大会でトリプルアクセルを跳んでいる選手は浅田しかいない。
しかも、伊藤みどりさんが22年前のアルベールビル五輪で女子として初めてトリプルアクセルを成功させて以来、五輪で成功させたのはバンクーバー五輪とソチ五輪の浅田だけ。だからこそ浅田は「アクセルは自分にしかできないジャンプだから」と、このジャンプに強い思い入れを見せ、調子が悪くても妥協することなくプログラムに取り入れてきた。
「小さい頃から、伊藤みどりさんにずっと憧れていた。オリンピックでは、伊藤みどりさんが跳んだトリプルアクセルを、自分も受け継いでいきたいと思ってきた」と言うのだ。
「集大成」という位置づけで臨んだソチ五輪を終えた今、来季以降の去就はいまだ不透明だが、仮に浅田が引退するとなればこのままトリプルアクセルが女子フィギュア界から消滅してしまうことになりかねない。しかし、世界選手権という大舞台で、これ以上ないほどの出来映えのトリプルアクセルを見せたことで、影響を受けた若手や子どもたちが将来、トリプルアクセルを継承していくかもしれない。そのためにも今回の大成功は意義深いことだったのだ。
SPの1位から3位までが出席して行われた会見では、海外メディアから「フィギュア界で最も古い、2010年にキム・ヨナ選手が作った記録を抜いた。しかもトリプルアクセルを入れて、新記録を作った。それに対してどう感じているか?」という質問が出た。浅田は「世界歴代最高と聞いたときはとてもビックリしたし、うれしかった。得点というのは後からついてくるものでいつもは目標にしていないが、トリプルアクセルという、現時点で自分しかできないジャンプを入れての最高の演技での得点だったのだなと感じている」と返した。
SPでは「100点(満点)です」と自己評価した浅田。次の目標は、フリーで再びトリプルアクセルを成功させ、最高の演技でシーズンを締めくくることだ。それはフィギュア界の未来にトリプルアクセルを継承していくこと、そして「トリプルアクセルの浅田」という伝説をつくっていくことへとつながる。
(文責・矢内由美子/スポーツライター)
THE PAGE 2014.3.28 02:56
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