フィギュアスケーターの浅田真央さんを応援するブログ
「最後まで自分の力を出せた」。演技を終えると、浅田は繰り返し首を縦に振って納得のしぐさを見せた。SPで6位と出遅れたが、フリーでは自己ベストを6年ぶりに更新する134.37点。3位で3年ぶりの表彰台に立った。
2つの大技は完璧には決まらなかった。直前の6分間練習で美しい着氷を見せた冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)。本番では回りきった後に左足が氷を削ってしまい、技の出来映え点で大きく減点された。続く連続3回転ジャンプは単発に終わり、回転不足の判定に。それでも、「挑戦できるところまでこれた過程は来季につながる」と前を向いた。
昨年のこの大会で2年連続6位に沈み、スケート人生のどん底を味わった。姉の舞さんには「やめたい」とも打ち明けたほどだ。オフに初めてリンクを2週間も離れ、山梨県で野菜を育てて土に触れるなど、気分転換に努めての再出発だった。
シーズン前半に封印した3回転半を後半にはSPとフリー両方に組み込み、フリーでは連続3回転も取り入れるレベルまで回復。試練を乗り越えたからこそ、「とても充実した時間が過ごせた」と笑えた。
ライバルは依然として手ごわい。世界女王に返り咲いたキム・ヨナとは合計得点で21.84点差。バンクーバー五輪時と差はほとんど縮まっていない。「まずはミスのない演技を目指し、そこからどれくらい争っていけるか試していきたい」。さらに自分を磨いた先に、来年のソチ五輪がある。(田中充)
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